耐熱ガラスが熱に強い理由とは?普通のガラスとの違いは?
耐熱ガラスとはどのようなガラスなのでしょうか。熱に強いというのはわかっていても、具体的なことまでは知らないという方が多いのではないでしょうか。耐熱ガラスが熱に強い理由と、何度まで耐えられるのか、また強化ガラスとの違いについて解説いたします。
耐熱ガラスとは?
耐熱ガラスとは、急激な加熱や冷却に強い性能を持ったガラスです。普通のガラスの成分にホウ素などの結晶を材料に混ぜることで、ガラス成分に熱を加えても膨張しにくい性質に変えています。結果、耐熱ガラスは普通のガラスよりも熱膨張率が低くなり、温度変化による内部での圧の変化が抑えられ、割れにくくなっているのです。
ガラスが熱で割れる仕組み
ガラスが熱で割れてしまいやすい原因は、「熱伝導率が低い」「膨張率が高い」「引張強度が弱い」という性質からです。熱が触れている部分から触れていない部分へ熱が伝わりにくく、触れている部分で膨張しようとする力が強く、膨張して引っ張られる力に耐える力が弱いために、割れやすいのです。
そのため、ガラスの割れを熱から守るためには、ガラス全体を均一に温めるか、熱を加えた時に膨張しないように熱膨張率を低くする必要があるというわけです。
耐熱ガラスの強さ
ポットや鍋用などの加熱調理用に加工されたものの場合、直接火にあてない用途として作られた「天火用」や「熱湯用」のものは、120度以上の耐熱性能があります。
いっぽう、ガスコンロの炎の温度は150度ほどにもなるため、直火用に作られた耐熱容器なら150度以上の耐熱効果を持ち合わせています。
このように、耐熱ガラスの耐熱効果は非常に高いですが、あまりにも高熱に熱した後で、冷水で急激に冷やすと割れる場合もあるので、注意しましょう。
強化のガラスとの違い
耐熱ガラスのほか、割れにくいガラスとして知られているものに「強化ガラス」がありますが、耐熱ガラスと強化ガラスとの違いについても紹介しておきましょう。
耐熱ガラスが温度変化に強いガラスであることは先述したとおりですが、いっぽうで強化ガラスは衝撃などの力に対して強い性質を持ったガラスを指します。
強化ガラスにおいても、30度~50度程度の熱であれば耐性がありますが、もともと温度変化に対して強度をあげているものではないため、高温になる場所では耐熱ガラスを使うことをおすすめします。また、強度と耐熱性の両方が必要になる場所には、耐熱強化ガラスというものもあるので、そちらを選ぶとよいでしょう。
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